日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ幼苗期の耐冷性とアクアポリン遺伝子発現の関係
*松本 直岩崎 郁子Yu XinSu Wei-Ai北川 良親
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p. 0808

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抄録
アクアポリン遺伝子の発現はイネの耐冷性と関係が深いことが報告されている。我々は耐冷性イネ品種で特有の発現パターンを示す細胞膜局在性のアクアポリン(PIP)遺伝子の性質について詳細に調べた。イネ苗を常温(25℃)から低温(4℃)に移し、さらに、低温から常温に戻した時、耐冷性品種のイネ苗は低温障害を受けず、健全に生育する。この時の全アクアポリン遺伝子(33種類)の発現を調べたところ、PIP1群の遺伝子OsPIP1;1, OsPIP1;2, OsPIP1;3が低温から常温にかけて、明らかな発現の上昇が認められた(V型発現パターン)。他方、低温感受性イネ品種は低温から常温にかけて明らかな発現低下が認められた(L型発現パターン)。このようにV-L型を示す遺伝子はPIP1群以外にOsTIP2;2等数種に限られ、イネの耐冷性と密接な関係があると考えられる。低温感受性イネにPIP1群の遺伝子(PIP1;1とPIP1;3)を過剰発現させた形質転換イネを作製した。これらのイネ苗のPIP遺伝子群の発現を調べたところ、V型発現パターンを示した。
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© 2008 日本植物生理学会
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