日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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T-DNA挿入変異体を用いたシロイヌナズナのタンパク質脱リン酸化酵素タイプ2C(APC4)の機能解析
*丸田 五月石平 智美富澤 悟中澤 悠宏佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之森山 裕充福原 敏行
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p. 0821

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抄録
環境応答におけるシグナル伝達にはタンパク質のリン酸化、脱リン酸化が重要な役割を担っている。シロイヌナズナにおいては、タンパク質脱リン酸化酵素タイプ2C(PP2C)であるABI1、ABI2、HAB1、AtPP2CA/AHG3がABAシグナル伝達に関与することが報告されている。我々は酵母のPP2CであるPTCと高い相同性を持つAPC4と名付けたシロイヌナズナのPP2Cに着目し、機能解析を行っている。PTCは浸透圧ストレス応答性シグナル伝達経路を負に制御することが報告されており、相同性の高いAPC4遺伝子もシグナル伝達への関与が期待される。これまでに我々はAPC4のPP2C活性を確認しており、次に生体内での機能を明らかにする目的でT-DNAタグラインよりスクリーニングを行い、異なる挿入位置を持つT-DNA挿入変異ラインを2系統単離した。このT-DNA挿入変異ラインのうち1系統ではホモ個体が得られておらず、ヘテロ個体の割合も異常に低い値を示した。また、ヘテロ個体でのノーザン解析から、T-DNA挿入によりAPC4の短いmRNAが発現しており、ドミナントネガティブに働いている可能性が示唆された。現在、過剰発現体も含めてAPC4の機能解析を試みている。
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© 2008 日本植物生理学会
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