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代謝制御に関与する遺伝子機能の解明を加速するため、我々はこれまでに、トランスクリプトームとメタボロームを代謝経路マップ上で統合解析するためのウェブツールKaPPA-Viewを開発してきた。本発表では、機能拡張を行い最近リリースしたバージョンKaPPA-View3について報告する。以前のバージョンKaPPA-View2は、モデル植物シロイヌナズナに特化したツールであり、シロイヌナズナの遺伝子のみが代謝経路マップ上の酵素反応に対応づけられていた。KaPPA-View3では、データ構造を改良したことにより、多生物種の代謝経路を解析可能になった。現在、ミヤコグサ(Agilent)、イネ(Agilent)、トマト(Affymetrix)のマイクロアレイのプローブ情報をシロイヌナズナタンパク質との相同性解析により対応づけたものを公開している。またKaPPA-View3では、遺伝子共発現解析機能をさらに向上させた。KaPPA-View2では、遺伝子間の共発現関係を一つの代謝経路マップ上のみで図示していたが、KaPPA-View3では、任意に選んだ最大4枚のマップ間で共発現関係を表示できる。また、ユーザーが任意に入力した遺伝子IDを簡易的なマップとして登録することが可能なため、代謝経路マップには表示されない転写因子などとの共発現関係を解析できるようになった。
http://kpv.kazusa.or.jp/kappa-view/