日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸で誘導されるbHLH型転写因子INU1の機能解析
*関本(佐々木) 結子乾 薫櫻井 望青木 考鈴木 秀幸柴田 大輔太田 啓之白須 賢
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p. 0958

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抄録
ジャスモン酸類は脂質由来の情報伝達物質であり、様々なストレス環境下でその情報伝達経路が活性化される。近年の研究から、COI1に依存したJAZタンパク質等の転写抑制タンパク質の分解が、ジャスモン酸応答遺伝子群の発現制御に重要なステップであることが示された。またJAZタンパク質の分解が、転写因子MYC2によるジャスモン酸応答遺伝子群の転写制御に重要であることも明らかになってきた。本研究ではジャスモン酸類およびストレスに応答する遺伝子群のクラスター解析の結果から、ジャスモン酸処理および傷害処理に早期に応答するbHLH型転写因子INU1に着目し、INU1の発現誘導はジャスモン酸に依存していること、INU1が核に局在することを昨年度年会で報告した。
INU1へのT-DNA挿入株inu1-1を用いてGeneChip解析を行った結果、メチルジャスモン酸処理をしたinu1-1では野生株に比べてフラボノイド生合成経路が活性化されている一方で、PDF1.2の発現は抑制されていることがわかった。この表現型は、MYC2の破壊株が示す表現型(アントシアニンの蓄積が抑制され、PDF1.2の発現が上昇する)とは対照的である。本発表ではジャスモン酸情報伝達経路におけるMYC2とINU1の関係を明らかにするために、myc2inu1の二重変異体を作成し解析した結果を報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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