日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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A .thaliana LPS-binding proteins (AtLBPs)の機能解析とLPSの植物生育阻害効果について
*武藤 さやか永野 幸生
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p. 0972

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抄録
細菌リポ多糖(LPS)は自然免疫を誘導する強力な因子のひとつであるが植物における認識機構は明らかになっていない。シロイヌナズナには相同性は低いながらもヒトLBPと同じファミリーに属する2つのタンパク質の存在が報告されている。我々はこの2つのタンパク質をAtLBP1、AtLBP2と名付け、LPSに対する植物自然免疫における機能解析を試みた。AtLBP変異株を用い、LPS応答として生じるNO発生強度とPR1遺伝子発現を調べた結果、特にAtLBP2が反応に関与しているという結果を得た。AtLBP2がLPSの急性的または慢性的存在に対して、異なったはたらきをする可能性が示唆された。
また本研究の過程で、LPSがシロイヌナズナ発芽種子に対して生育阻害効果を示すことを発見した。鞭毛タンパク質フラジェリン(flg22)や、転写伸長因子EF-Tuも植物に対して生育阻害効果を示すことが分っており、この発見は各病原体成分特異的な細胞膜上受容体(FLS2やEFR)同定へと繋がってきた。未だ不明である植物のLPS受容体同定への足がかりとするため、我々はLPSの生育阻害効果を様々な生態型、変異型のシロイヌナズナに試すと共に、植物の生育に対する影響が分かっていない病原体成分キチンについても同様に実験を試みた。その結果、LPSとキチンでは生育阻害効果が異なるという興味深い結果を得たので報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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