日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ簡易形質転換法の開発
*鳴坂 義弘鳴坂 真理白石 友紀岩渕 雅樹
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p. 0582

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抄録
シロイヌナズナの形質転換実験は遺伝子機能や発現調節機構の解析に必須な研究手法である。アグロバクテリウムを用いた形質転換法として、vacuum infiltration法やfloral dipping法が主に用いられている。私たちはfloral dipping法を改変し、さらに簡易に形質転換が可能なfloral inoculation法によるシロイヌナズナの形質転換法を開発した(Plant Biotech. 27, 349-351)。本法は花芽に5 μlのアグロバクテリウム懸濁液を接種(点滴)するだけで形質転換が可能である。本法により、3個体のシロイヌナズナ(エコタイプ:Columbia、Wassilewskija)への形質転換で、15~50の形質転換植物を得ることができた。また、本法により薬剤マーカーを含む10kb以上の遺伝子を導入することに成功した。これにより、形質転換に要する大量の菌の培養、作業時間および栽培スペースを必要とせず、コストの低減および作業効率が高まった。本会において、floral inoculation法によるシロイヌナズナの簡易形質転換法の詳細を報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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