日本惑星科学会秋季講演会予稿集
日本惑星科学会2003年秋季講演会予稿集
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オーラルセッション7 10/10(金)13:15~14:45
非等方散乱を考慮した輻射平衡計算に基づく星周円盤内のダストサイズの推定
*林 和樹中本 泰史五十嵐 丈二
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p. 92

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抄録
近年、Tタウリ型星周囲の原始惑星系円盤を中間から近赤外の波長域で高分解能観測することが可能になって来ている。これらの波長の光は大部分が中心領域からの散乱光であるが、他波長の観測結果との比較から散乱の非等方性を見積もり、ダストが成長して大きなサイズになっていることが示唆されている(McCabe et al. 2003等)。一方、理論的研究においては、2次元軸対称構造に対する輻射平衡計算が行われ、密度構造とSED・温度分布との関係が求められている(Kikuchi et al. 2002)が、これは等方散乱を仮定して計算が成されている。そこで、本研究では局所2次元モデルにおいて非等方散乱を考慮した信頼性の高い輻射平衡計算を行い、ダストの等方散乱モデルと非等方散乱モデルを比較することで、非等方散乱の効果を調べた。その結果、散乱光の輻射強度に有意な差があることが分かった。また、方向について2次元の計算を行ったことにより、原始惑星系円盤の観測角度・円盤上の空間座標と輻射強度の関係を得た。この結果と空間分解観測を比較することにより、原始惑星系円盤の観測角度・ダストサイズを同時に推定することを試みる。
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© 2003 日本惑星科学会
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