抄録
火星凍土や氷衛星は高濃度の固体粒子を含んでいる。これら氷・固体粒子混合物が作る流動地形の成因を知るためには、その流動特性を明らかにする必要がある。そこで粒子含有率を50、70、80wt.%として氷・固体粒子混合物の変形実験を行った。まず含有率と有効粘性率の関係を調べ、さらに粒径、鉱物種の異なる3種類の固体粒子を用いて、その依存性も調べた。その結果、粒径1ミクロンのシリカビーズ混合氷と粒径数ミクロンの蛇紋岩混合氷は、含有率の増加と共に有効粘性率が増加した。一方、粒径1mmのガラスビーズ混合氷は、含有率の増加と共に有効粘性率が減少した。