抄録
本研究の目的は,脳卒中片麻痺者の麻痺側手掌面の感覚入力が,ストレッチングによって変化するか否かを明らかにすることである。対象は31名の脳卒中片麻痺者(平均年齢68.9歳)とした。方法は,麻痺側手掌面のストレッチングを施し,その前後の感覚を2点識別覚(2PD)で測定した。結果,ストレッチング施行後の2PD値が有意に減少を示し(p<0.05),ストレッチングが麻痺側の感覚入力向上に有効であった。これは痙縮に支配された麻痺側手掌面の皮膚や筋の状態が変化したことで,潜在能力が発揮され感覚入力が向上したと考えた。今後,片麻痺者の感覚障害に対する評価と治療の一助となることが示された。