主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第42回日本臨床薬理学会学術総会
回次: 42
開催地: 仙台
開催日: 2021/12/09 - 2021/12/11
私は名古屋市立大学を卒業後、5年間臨床医としての経験を主に内科、循環器内科で積んだ後に2021年4月から大分大学医学部の臨床薬理学講座に入局した。現在は一から臨床薬理学の勉強をしている。
臨床薬理学を学ぼうと思った大きな理由は、一度自分の行ってきた臨床を学問的に見つめ直してみたいと考えたことである。現在の循環器内科で行う非薬物治療は冠動脈インターベンション、カテーテルアブレーションから今や心不全、弁膜症治療までもカバーしようとしている。私自身もそのような手技に魅せられて循環器内科を選択し、日々自分の技術の成長を感じながら充実した5年間の研修を行うことができた。しかし、ともすれば手技に大きな関心が行くことが多くなり、内科医としての本分である薬物治療に対する自分の意識が低くなってきていることも感じるようになった。循環器内科領域で扱う薬物は時代の淘汰に耐えてきた良薬ばかりであり、依然循環器内科領域において薬物治療が果たす役割は大きい。それゆえ私は改めて学問として薬物治療を学びなおす必要があると感じ、特に創薬、育薬に長い歴史を持つ大分大学臨床薬理学講座へ入学した。
確かに、一旦臨床の現場を離れて大学院で学び直すことは勇気のいることであった。特に私の学年は新専門医制度へ移行した一期生であり、プログラム制度の導入はますます医学部卒業後の専門医志向に拍車をかけている。対して、臨床薬理専門研修を行うことは日本専門医機構にはプログラムとして認定されていないのが現状である。そこに対する不安はあるが、私が臨床薬理を勉強することは私の医師人生において必ずプラスとなるはずだと信じている。
大分大学で勉強し薬物治療のプロフェッショナルな臨床薬理医兼循環器内科医になりたいと考えている。そのため学会には日本専門医機構と連携した臨床薬理医の育成プログラムの整備等、若手が進路として選択しやすいような体制が構築されることを望む。