主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第43回日本臨床薬理学会学術総会
回次: 43
開催地: 横浜
開催日: 2022/11/30 - 2022/12/03
近年,日本での医薬品臨床開発は国際共同治験が増え(2018年以降50%以上),初回治験計画届においても国際共同治験が増えつつある1。全治験計画届の疾患領域別では直近数年間(2017年以降)で抗悪性腫瘍薬(ONC)が約7割で最も多い1。ONCの早期開発の探索的試験では,主に患者を対象に安全性,忍容性,PK,PDおよびバイオマーカー等を検討し,PK/PDや臨床薬理学的評価も含めて次相の臨床推奨用法・用量を決定する2。また,FDAではONCでの最適な用法・用量設定に関するワークショップや関連ガイダンスが発行されている3,4。ONCの用法・用量設定では,開発早期での探索的試験/国際共同開発における評価と関連するため,初めて承認申請する際の用法・用量設定においても開発早期の評価は重要と考える。これまでONCおよび他の各疾患領域別の承認用法・用量の国内および海外との比較調査は報告されているものの,国際共同治験が増えた最近の承認薬に関する調査報告は限定的である。開発早期から国際共同治験に参加する事例が増えてきた現在において,国内および海外で治療薬が初めて承認された際の用法・用量を比較することはONC早期開発を改めて検討する上でも有益と考え,ONC以外の各疾患領域治療薬の承認用法・用量も含めて調査した。直近5年間に国内で承認された新規有効成分(168品目以上)について,日本および米国での用法・用量を比較調査した結果を発表し,ONCの早期開発戦略および国際共同治験における日本の最適な開発計画について考察する。
1: 令和2年度医薬品・医療機器等GCP/GPSP研修会,厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
2: 抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン,令和3年3月31日,薬生薬審発0331第1号
3: Project Optimus, Reforming the dose optimization and dose selection paradigm in oncology
4: Expansion Cohorts: Use in First-in-Human Clinical Trials to Expedite Development of Oncology Drugs and Biologics Guidance for Industry, FDA, March 2022