日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_3-C-P-104
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一般演題 ポスター
ARO所属のCRCの働き方についての調査
*芳賀 洋子齋藤 由美子中屋 純子永松 明美西川 奈津紀出合 美帆佐々木 由紀難波 志穂子
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抄録

【目的】

近年、厚生労働省より「働き方改革」が提案され、働く人の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる工夫が職場に期待されている。CRCは、他職種との連携を行いながら日々煩雑な業務を行っているが、その働き方の実態は十分に明らかにされておらず、今回ARO協議会に所属するCRCの働き方及び業務内容について調査を行った。

【方法】

対象は2022年5月にARO協議会に所属する20医療機関とした。所属する医療機関の属性(施設規模、治験受託件数、利用できる制度等)について、及びCRCが担当する可能性のある業務を洗い出し414項目に分類し、その項目の実際の担当者について調査を行った。次に、得られたデータを解析し、各データの関連性について検討した。

【結果】

20機関の特徴(中央値)を示す。病床数874床、1日外来平均数2141件、院内CRC配置は17人が配置されており、2021年度の治験受託平均件数は215件、新規同意取得件数は182件であった。また、15機関に時短勤務者がおり、16機関でSMO CRCを導入していた。CRC補助(アシスタント/LDM)は、18機関がいると回答した。働き方の選択として、9機関がフレックスタイム制を組織として利用できるものの、CRCが利用しているのは7機関であった。同様にテレワークは13機関中6機関であった。CRC業務を分類した414項目のうち、メイン担当CRCが行っている項目数は260項目であった。

得られた各データの関連性について検討したところ、CRCの配置人数と治験受託件数及び新規同意取得件数については、どちらも強い相関性を認めた。また、メイン担当CRC項目数と時短勤務者の有無の関連性は、時短勤務者がいる機関ではいない機関に比べ有意にメイン担当CRC項目数が少なかった。なお、メイン担当CRC項目数とフレックスタイム制及びテレワークの導入の有無との有意な関連性は確認できなかった。

【考察】

今回、ARO協議会に所属するCRCの働き方について調査し、75%の医療機関で時短勤務者がおり、そこではメイン担当CRC項目数は有意に少なく分業体系が進んでいることが推測された。また、フレックスタイム制やテレワークの導入については、メイン担当CRC項目数が影響していることを想定したが、相関関係は認められず別要因が関与していることが示唆された。

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