主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第43回日本臨床薬理学会学術総会
回次: 43
開催地: 横浜
開催日: 2022/11/30 - 2022/12/03
非ホジキンリンパ腫の治療は化学療法もしくは放射線治療が中心となる。組織型、病期、患者の年齢、PSなどに応じた治療法が選択される。代表的なB細胞性腫瘍であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫では抗CD20モノクローナル抗体薬であるリツキシマブを併用するR-CHOP療法が長らく標準的治療法として用いられてきた。一方で、T細胞性リンパ腫については同様にCHOP療法が選択されることが多かったが、B細胞性ホジキンリンパ腫より治療効果は不良でT細胞性リンパ腫に対する標準的な治療法は未だはっきりしたものがない状況である。このような中、非ホジキンリンパ腫の詳細な表面形質、ゲノム解析により病態への知見が集積し、さらなる詳細な亜分類が提唱されてきた。各病型に応じた、ゲノム異常・エピゲノム異常に伴う特徴的なパスウェイの活性化なども分かり、それを標的とした新規分子標的治療の開発もなされてきた。ゲノム編集技術の発達によりCAR-T細胞療法をはじめとしたこれまでとは全く異なる機序による治療法についても一般臨床においてできるようになってきた。本セッションでは可能な限り本邦で使用可能な近年上市された新規薬剤について解説するとともに、非ホジキンリンパ腫のゲノム・エピゲノム異常からみた新たな治療標的について概説を行う。