日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_3-C-S41-1
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シンポジウム
創薬におけるビッグデータの現状と今後の課題
*諫田 泰成
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抄録

最近、機械学習やAIなどの技術革新にともない、大量の情報を短時間で解析することが可能になった。その結果、医薬品や医療機器等の開発・評価にビッグデータを利活用する動きが活発化しており、創薬プロセスの効率化やコスト削減、ヒトにおける有効性・安全性評価に対する予測性向上などが期待される。

求められるビッグデータは、創薬プロセスにもとづいて、探索、非臨床試験、臨床試験、市販後調査のステージごとに異なる。例えば、探索においては、次世代シークエンスの遺伝子情報、リボソームフットプリントなどの翻訳、タンパク質の立体構造などのビッグデータ解析が利用されている。また、非臨床試験において評価法の予測性向上に向けて機械学習やAIなどの検討が進められており、様々なインシリコモデルなどが開発されて活用されている。さらに、米国の21st Century Cures Act、GCP 刷新などを契機に、リアルワールドデータ(RWD)の議論が進められており、副作用報告や診療記録、疾患レジストリなどの膨大なデータが蓄積され、治療アウトカムの向上などが期待される。その一方で、ビッグデータの質の向上などの課題も残されており、さらなる取り組みが必要である。

今回のシンポジウムでは、創薬におけるビッグデータの現状と今後の課題についてイントロダクションをお話したい。

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