主催: 日本臨床薬理学会
【目的】臨床試験においては最終的に被験者として選ばれない、スクリーニング脱落(以下、SFとする)候補者が発生する。健常人対象の試験においては、多くの場合、脱落の理由は開示されない。一方、疾患対象の試験においては、その理由は病状によることが多く、説明されることもある。試験デザインによる脱落理由の開示率の違いやSF候補者の心理的影響について調査した。
【方法】PubMedおよび医中誌を用いて、脱落理由の開示率や、SF候補者の心理的葛藤について検討した文献の検索を行った。
【結果】PubMedにて"Clinical Trials" AND "Screening Failure"で検索したところ、24件の文献を認めた(SF発生率について:7件、SFの原因について:5件、SFを減らす工夫について:2件、その他:10件)。医中誌にて"臨床試験"AND"スクリーニング"AND"脱落"で検索を行ったところ、27件の文献を認めた(SF候補者について:14件、SF一般について:3件、SF発生率について:2件、SFの原因について:1件、SFを減らす工夫について:1件、その他:6件)。しかしSF候補者の心理的影響に関する文献を見つけることができなかった。
【結語】臨床試験におけるSF候補者に生じる心理的な影響については研究されていなかった。候補者を含めて、Patient Centricityに基づく臨床試験の実現を目指し、当センターでの取り組みを紹介する。