2022 年 73 巻 2 号 p. 41-48
COVID-19の感染拡大以前、成田・羽田・関西の3空港を除いた国内空港でもアジアを中心とする訪日旅客が急増し、「インバウンドブーム」と呼ばれた。背景には、関係者による外国エアラインの誘致努力がある。本稿では、3空港を除いた国内空港の国際線の持続要因について分析をすることで、路線の持続に貢献しうる各種の要因を明らかにするとともに、地方自治体間の補助金支出による路線誘致の競争関係を疑似的に分析する。パネルデータを使用した分析の結果、需要が安定していない地方路線を中心にインセンティブ・パッケージが持続のためのキーとなっていること、自治体間競争が囚人のジレンマ的構造にあり、近隣空港との競争が持続性を低下させうること、ダブルトラックとなっている路線で航空会社間の競争が適切に機能している可能性があることが明らかになった。ここから、自治体が国際線の持続を望む場合、近隣との競合状況を把握・分析し、広域的な視点から合理的な補助を提供する必要があることを示唆している。