脳卒中
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症例報告
ステント留置術後に症候性脳血管攣縮を来した総頸動脈狭窄症の1例
正島 由理緒方 敦之 古川 隆伊藤 寛吉岡 史隆中原 由紀子増岡 淳阿部 竜也
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2023 年 45 巻 3 号 p. 250-256

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抄録

73歳男性.無症候性高度右総頸動脈狭窄症に対して,局所麻酔下にフィルタープロテクションにてopen cell stent留置術を施行した.術中合併症はなかったが,術20時間後に意識障害(JCSII-10),左半側空間無視,発熱が出現し,頭部MRIでは右大脳皮質に無症候性のごく小さな散在性梗塞がみられ,脳血流検査では右MCA領域の血流低下が観察された.同日のDSAでは右MCAにびまん性の狭小化がみられ,脳血管攣縮と診断した.エダラボン60 mg, オザグレル80 mg, 抗痙攣薬としてラコサミド100 mgを投与し,血圧低下に留意した血圧管理(収縮期血圧120~140 mmHg)を行った.術後3日で症状は消失し,脳血流検査にて脳血流の回復を確認できた.頸動脈ステント留置術後に症候性脳血管攣縮を合併することはまれである.適切な治療を行うためには,塞栓性脳梗塞や過灌流症候群との鑑別が重要と考えられた.

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© 2023 日本脳卒中学会

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