社会学評論
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公募特集「社会学における歴史分析の現在」
戦時期から戦後における高学歴層の流動性と戦後階層システムの形成
SSM調査の再分析から1940年代を読み直す
岩井 八郎
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2018 年 69 巻 3 号 p. 355-372

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抄録

戦時期から戦後にまたがる1940年代は, 軍需産業への動員, 兵役, 兵役からの帰還など日本人男性の経歴が最も流動的であった. この時期の経歴の流動性と戦後階層システムの形成との関係について, 戦時体制と戦後社会に関する連続性と非連続性をめぐる議論を整理した上で, 本稿は1955年, 65年, 75年の3時点におけるSSM調査の職業経歴データを出生コーホート別, 学歴別に再構成し, 高学歴層に焦点を当てた分析を行っている. 出生コーホート別に従業先の産業, 従業先移動, 職業的地位の年齢にともなう変化を提示し, さらに出生コーホート別に本人の職業的地位達成に及ぼす教育と父職業の効果に関する重回帰分析の結果を示している. 高学歴層 (とくに1910年代出生) は, 戦時期に軍需に関係する鉄鋼機械関係の製造業に従事するか兵役に携わるが, 戦時から戦後にかけて従業先移動も高い. 経歴の流動性が高いが, 終戦後に製造業の就業機会が悪化したにもかかわらず, 製造業に就業する割合が高く, 良好な地位を形成していた. 本稿は, 高学歴層の流動性が高かった結果, 戦後階層システムの安定性が形成された点を示し, 1940年代を読み直す.

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© 2018 日本社会学会
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