2025 年 75 巻 4 号 p. 426-446
本稿の目的は,『社会学評論』300号刊行を1つの契機として,その来し方である学会機関誌変遷の歴史を描き,同時に行く末を考えるための基礎的データを会員間で共有し,学会機関誌の役割について議論を促すことにある.2節では学会機関誌の変遷を辿る.とくに『社会学評論』に先行する機関誌『社会学研究』との関係を考察する.3節では,『社会学評論』の査読制度がいかなる経緯で導入されたのかを歴史的に跡付ける.とくに1979年に導入が決まった中央管理型編集体制の時期に着目をする.4節では,『社会学評論』の査読動向と投稿動向を網羅的に示す.とくに齋藤(2012)で行った2001~10年度の査読・投稿関連データの更新を目的に,その後の10年間(2011~20年度)のデータを用いて現在の姿を描く.以上の作業から,歴代の編集委員会を筆頭に多くの関係者の尽力により,『社会学評論』の査読制度はきわめて厳格なルールに基づいて進められており,また公平性が担保された制度となっていることをあらためて確認する.結論として,学会機関誌をさらに魅力的にするためには,会員が『社会学評論』をより身近に感じることができるように,『社会学評論』にかんする精確な情報を会員間で広く共有し,より活発な論文投稿を促すことが1つの方法であることを述べる.