社会学評論
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諸個人の消費生活とその階級性
諸個人の普遍的発展と社会的共同消費手段
高橋 英博
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1982 年 33 巻 2 号 p. 74-91

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抄録

現代資本主義の止揚の問題と整合的な関連を保持する諸個人の「消費」生活領域の社会学的分析は、その「生産-労働」領域の分析にくらべると、十全な蓄積がなされてきたとはいいがたい。諸個人の「消費」生活じたいがもつ、現代の資本制的生産様式の止揚とのかかわりでの意味を、論理的にあきらかにする分析が困難だからである。しかし、現在、諸個人の「消費」生活は、この分析を可能にする現実的発展段階にあることも、眼前の事実としてうけとめられねばなるまい。
本稿は、K・マルクスのいう「諸個人の普遍的発展」と階級主体形成との相互関連のなかに社会的共同消費手段を位置づけることを出発点にして、現代資本主義の止揚の観点にたった諸個人の「消費」生活領域の分析をこころみる。それをとおして、それじたい上の止揚と「将来社会」への萌芽的要素を内在させる、諸個人の「消費」生活領域の独自の論理をうきぼりにしようとするものである。

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