抄録
X線自由電子レーザー(XFEL)は,10フェムト秒の時間パルス幅内に1000億個もの光子が存在するような,コヒーレントで強力な短パルス光という前例のない特性を持つ光を用いて,X線科学の歴史の新しい時代を創ろうとしている.XFELを用いた単一ショット回折イメージングが,イメージング科学における新しいパラダイムとして開発され,ユニークな研究分野を開くと期待されている.本稿では,SACLAにおける,様々な単一ショットコヒーレント回折イメージング(CDI)実験を紹介する.また,将来的な科学への応用やさらなるアップグレードに関する展望についても述べる.