2001 年 11 巻 2 号 p. 239-243
呼吸器疾患の領域においても,健康関連quality of life (QoL) の評価についての必要性が高まっている.目的により,包括すべき構成要素を決定し,さらに重み付けを行って,数値として測定結果を表現するように作成された尺度を使用して,科学的に評価が行われている.COPDにおける疾患特異的な尺度としては,Chronic respiratory disease questionnaire (CRQ) とSt. George\'s respiratory questionnaire (SGRQ) がもっともしばしば使用されており,呼吸リハビリテーションに関連した臨床試験においても,これらは重要な結果の評価方法と考えられるようになった.反応性に優れた疾患特異的健康関連QoL評価尺度を使用することによって,呼吸リハビリテーションに伴う患者の改善を評価することが可能となった.欧米での多くの臨床試験の結果により,呼吸リハビリテーションの健康関連QoLに対する効果についてのエビデンスが蓄積されている.