2004 年 14 巻 2 号 p. 246-250
本研究は,腹臥位における横隔膜運動の基礎的知見を得ることを目的としたものである.dynamic MRIを用いて,健常男性の5名を対象とし,横隔膜運動の変化と肺断面積の変化を解析した.研究では,背臥位および腹臥位の両姿勢で,おのおの30秒間の安静呼吸を撮像し,両姿勢における横隔膜の腹側部,中央部,背側部の動きを比較した結果,まず安静呼吸における横隔膜運動は,いずれの肢位ともに背側部での動きが優位であった.また,腹臥位では背臥位と比較し,腹側部での横隔膜運動は同程度であったが,中央部・背側部は減少する傾向にあった.肺断面積拡張率も,背臥位より腹臥位で減少傾向を示した.