抄録
【背景と目的】近年,慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者に高次脳機能障害を合併することが報告されている.したがって,COPD患者の日常生活動作指導の効果を上げるためには高次脳機能の評価が必要と考えられる.今回COPD患者の高次脳機能のなかでも前頭葉機能に着目して検討した.【対象と方法】当院で呼吸リハビリテーション実施したCOPD群15名,コントロール群9名を対象とした.前頭葉機能はFrontal Assessment Battery(以下FAB)を用いて検討した.【結果】FAB合計点数はコントロール群と比較して,COPD群で有意に低値であった.また,FAB項目のなかで類似性,語の流暢性,抑制がCOPD群で有意に低値であった.【結語】COPD患者の前頭葉機能は低下しており,特に類似性,語の流暢性,抑制が低下していることが示唆された.