抄録
症例は59歳男性,重喫煙者.4日前から頭痛が持続し来院,くも膜下出血の診断で緊急クリッピング術を施行したが,術直後より無気肺を合併した.当院脳神経外科と呼吸ケア・リハビリテーションチーム(RCT)は手術直後より,「症候性脳血管攣縮および肺合併症を予防する」という目標の下,必要な情報を共有し,呼吸ケア・リハビリテーションを積極化した.これにより無気肺は改善し,症候性脳血管攣縮を回避することに貢献できた.
術後早期からの多職種による協働的な呼吸ケア・リハビリテーションは,くも膜下出血後の症候性脳血管攣縮の予防に有効である可能性が考えられた.