抄録
ケアマネジャー(ケアマネ)は介護保険利用の在宅酸素療法(HOT)患者のケアプランを作成し,在宅呼吸ケアの統括的役割を担う.呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)もケアプランに取り組まれるべきだが,ケアマネの呼吸リハへの認識が十分ではない現状がある.そのため呼吸リハのサービスが十分になされていない可能性もある.そこで,当院主催の在宅呼吸ケアの勉強会である「在宅呼吸ケア地域連携の会」の参加ケアマネを対象に,HOT患者の呼吸リハに関するアンケート調査を行った.その結果,ケアプランに呼吸リハを入れていたのは54.8%と約半数にすぎず,呼吸リハの知識・技量に58.3%が自信がないと回答し,69.5%は実施に不安を感じていた.呼吸リハがケアプランにて組み込まれ,適正に実施されるには,ケアマネの呼吸リハの知識獲得の機会を増やすとともに,呼吸リハにかかわる多職種連携が機能する環境作りを進める必要がある.