日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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コーヒーブレイクセミナーⅦ
COPDの身体活動性研究up-to-date
南方 良章
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2016 年 26 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
慢性閉塞性肺疾患(COPD)における身体活動性低下は,死亡の最大の危険因子であり,身体活動性の維持・向上は,疾患管理上極めて重要である.身体活動性の評価には再現性の確保が重要で,3軸加速度計を用い,天候,休日,季節の影響を考慮し,3日以上の測定が最も精度が高い.COPD患者では,あらゆる強度で身体活動性は低下しており,強度が中等度(3.0 METs)以上の活動時間では,健常者に比べ50%低下している.身体活動性改善に対する気管支拡張薬や呼吸リハビリテーション単独介入の有効性の結論は得られていないが,両者の併用が有効であるとの報告もなされている.また,活動のモチベーション向上による行動変容誘導の有効性の報告もなされている.現状では,COPDの身体活動性維持・向上には,まず再現性のある評価をおこない,薬剤,呼吸リハビリテーション,モチベーション向上などを併用した介入が重要と考えられる.
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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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