日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
コーヒーブレイクセミナーⅡ
呼吸リハビリテーションの現状と課題
―携帯型酸素濃縮装置の有用性について―
杉野 圭史海老原 覚本間 栄
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 27 巻 1 号 p. 27-31

詳細
抄録

間質性肺炎の呼吸リハビリテーションの実施には,豊富な経験と知識を有するリハビリテーション科医師および理学療法士との協力が必要不可欠である.また,運動時に著明な低酸素血症を呈することが多く,酸素投与や酸素流量の増加を常に考慮しなければならない.従って,6分間歩行試験,夜間就寝時のSpO2値モニタリング,あるいは24時間SpO2値モニタリングで日常生活内の実態を明らかにすることは大変重要である.

また,最近我々は安定期の特発性肺線維症および気腫合併肺線維症患者を対象に,圧力センサー方式で呼吸回数の測定可能な携帯型酸素濃縮装置ハイサンソポータブルαIIおよび携帯用睡眠時無呼吸検査装置とパルスオキシメータSR-700bsを用いて,運動時における呼吸数変動が,呼吸困難感,SpO2,脈拍数および運動耐用能に与える影響を検討した.本稿ではこれらの機器の呼吸リハビリテーションへの応用の可能性について具体的な症例を呈示しながら解説する.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top