2019 年 28 巻 2 号 p. 167-173
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の呼吸リハビリテーションにおいて,客観的な身体活動(PA)の評価・介入を目的とした加速度計機器の臨床応用が進んでいる.しかし,加速度計を用いたPAの評価では,歩行以外の移動の評価が不可能であった.COPD患者のPAに関連する因子や,PA向上プログラム(PA-P)の効果的な条件とその効果も十分に明らかにはなっていない.また,COPD患者における加速度計機器を用いた歩行やバランスの評価を行った報告は非常に少ない.そこで,我々は①加速度計を用いた四つ這い位・移動と自転車駆動時間の測定方法の開発,②COPD患者において加速度計にて測定したPAと歩行・バランスの関連の検討,③COPD患者を対象としたPA-Pと栄養療法の併用効果の検討,④加速度計によるCOPD患者の歩行の評価を中心に,COPD患者を対象とした呼吸リハにおける加速度計機器の臨床応用の可能性を検証してきた.今後は加速度計機器とその活用法の普及が必要になると考えられた.