2019 年 28 巻 2 号 p. 186-189
COPDによる死亡が増加しているが,我が国での特徴としてCOPDによる死亡者は80歳以上の高齢者が多い.つまり息切れなどの症状を抱えて長生きをしている可能性がある.健康寿命延伸という観点からも,COPD患者に対しては薬物療法のみならず,呼吸リハビリテーションを含む包括的介入を行うことが重要であるが,本セミナーでは介入の基軸である薬物療法について解説したい.最新のガイドラインでは治療の中心は長時間作用型気管支拡張薬である.増悪予防においても,吸入ステロイドのポジションは限定的になり,抗コリン薬とβ刺激薬の併用が主体になりつつある.短時間作用型気管支拡張薬のアシストユースや喘息様症状を持つCOPD患者への対応も併せて紹介する.本学会員が中心となって最新の知見を臨床現場へ反映させていくことを目指していきたい.