日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
肺炎にて入院し呼吸リハビリテーションを実施した後期高齢者の肺炎再入院率と関連要因
森下 辰也陶山 和晃板木 雅俊宮城 昭仁阿南 裕樹大曲 正樹禹 炫在田中 貴子俵 祐一神津 玲
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 29 巻 2 号 p. 317-322

詳細
抄録

【目的】後期高齢者の肺炎再発症による入院の割合,およびそれに関連する身体機能をはじめとする要因を明確にすることである.

【方法】肺炎にて入院治療とともに,リハビリテーションを行った75歳以上の高齢者を対象に,対象者背景,肺炎重症度,認知機能,栄養状態,摂食嚥下関連機能,身体機能,呼吸機能を評価した.また,過去1年間の肺炎による入院既往の有無から再入院群と初回入院群に分類し,評価項目を比較検討するとともに,再入院に関連する要因を分析した.

【結果】解析対象者は118例であり,再入院率は24.6%であった.再入院群,初回入院群間で性別,呼吸器疾患の併存,栄養状態(GNRI)に有意差を認め,呼吸器疾患の併存とGNRIが再入院の有意な要因として抽出された.

【結語】後期高齢者における肺炎による1年間の再入院率は24.6%であり,呼吸器疾患の併存と低栄養状態が再入院に関連する要因であることが示された.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top