日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
小型軽量化を目指し開発した携帯型酸素濃縮器
川内 翔平藤本 圭作
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2021 年 30 巻 1 号 p. 89-95

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抄録

背景:我々は携帯型酸素濃縮器(以下POC)の小型軽量化をおこなってきた.開発したPOC試作1号機と2号機が現在販売されている従来機と同等の酸素化効果があるかを明らかにする.

方法:運動誘発性低酸素血症の者を対象とし,POC試作機(190×60×200 mm,1,850 g,バッテリー除く)と従来機の無作為交叉試験で,2 L/分相当の酸素が供給される呼吸同調設定で定常運動負荷試験を行い,SpO2を比較した.一呼吸あたりの酸素吐出量はPOC試作1号機で 17.0 ml,POC試作2号機で 28.5 mlとした.

結果:従来機とPOC試作1号機の比較では運動時最低SpO2は従来機が有意に高値であった.16名を対象としたPOC試作2号機の比較では運動時最低SpO2の差は-1.04±2.6%と従来機と同程度であった.

結論:開発した小型軽量POCは従来機と同等の効果を有し,酸素化に吐出量が影響することが明らかになった.

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© 2021 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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