2021 年 30 巻 1 号 p. 96-101
【目的】外来COPD患者の睡眠障害の現状を調査し,睡眠障害が臨床指標に及ぼす影響を明らかにすること.
【対象と方法】対象はCOPD患者126名.GOLD重症度分類I/II/III/IV:46/47/23/10(名).評価項目はピッツバーグ睡眠質問票(PSQI),歩数,6分間歩行距離(6MWD),COPD Assessment Test(CAT),息切れ問診票,老年期うつ病評価尺度(GDS-15-J)とした.検討内容は①睡眠障害を認める患者割合,②睡眠障害と疾患重症度,うつとの関係性,③睡眠障害の有無における各臨床指標を検討した.
【結果】睡眠障害は全体の35.7%に認め,疾患重症度やうつとの関係性を認めた.睡眠障害を有する患者は歩数,6MWDが低く,CAT,息切れ問診票の得点が高かった.
【結論】睡眠障害は疾患重症度の早い段階から認められ,身体機能,身体活動性,精神面にも影響を及ぼすことが明らかになった.