日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップ
呼吸器疾患における自助・共助・公助の体制作り
茂木 孝
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2022 年 30 巻 3 号 p. 305-310

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抄録

災害時には患者自身も可能な限り自分で自分の身を守り,必要な行動をとる自助が要求される.世論調査では人々の意識も年々自助を重視する考えが増えている.医療者にとっては患者自身が対処すべきことを事前に教育できているかどうかが問題となるが,LINQを利用した患者教育に災害対策も含めるのが妥当である.自己管理の難しい患者については併せて家族,医療業者,自治体と供に平時から準備を進めておくことが必要である.特に地域の人々のつながりがあると健康意識,防災意識が維持されやすいことも指摘されている.共助を含め他者との関わりが強化されることは豊かな社会資本形成の上で重要なアプローチであり,災害対策にも役立つと考えられる.自治体も様々な対策を準備しており,近年はタイムライン(防災行動計画)による災害対策が注目されている.一方で避難行動要支援者名簿制度に関する情報が周知されていないなどの問題点も指摘されている.

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© 2022 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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