日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップ
災害と呼吸器疾患
―医薬品と医療機器に対する課題と対策
駒瀬 裕子
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2022 年 30 巻 3 号 p. 300-304

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抄録

災害による呼吸器慢性疾患への影響は大きく,個人レベルの対応とシステムとしての対応が必要である.

(1)超急性期には患者自身が一週間分程度の薬剤をお薬手帳とともに持ち出せるように準備をしておく.

(2)亜急性期の薬剤の準備は卸ルートが最も有用であり都道府県レベルでは災害に備えた医薬品供給体制の連携体制の構築も進んでいる.医薬品卸から救護所・避難所への医薬品供給体制の合理化や広域災害発生時には国や複数の地方自治体との連携が不可欠である.

(3)COPDや喘息などの呼吸器疾患の治療では吸入薬が中心で感染にも配慮した備蓄やスペーサーの工夫が必要である.

(5)医療機器に関しては機器の準備と補助電源の確保が重要である.

(6)患者と主治医によりアクションプランを作成し理解すること必要である.

(7)2019年年末から新型コロナウイルス感染症が全世界で大きな犠牲を出しており,ハイリスクの呼吸器疾患ではこの対策も重要である.

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© 2022 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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