日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ランチョンセミナー
COPD診療における吸入治療と吸入支援の重要性
福家 聡
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2023 年 31 巻 2 号 p. 197-202

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抄録

COPD治療では長時間作用型抗コリン薬/長時間作用型β2刺激薬の配合剤が主役になっている.咳嗽,喀痰,息切れ症状の改善や身体活動性の向上および維持と,全身性ステロイド投与や入院を要する増悪の回避など将来のリスク軽減が管理目標とされている.チオトロピウム/オロダテロール配合剤は各単剤を上回る呼吸機能,QOL,息切れの改善をもたらす.また肺過膨張を軽減することにより運動耐容能や身体活動性の改善効果が期待できる.一方,吸入療法では患者が正しくデバイスを扱い,適切に吸入することで効果が発揮される.高齢者が多いCOPD患者では,医療者による繰り返しの指導や支援による吸入手技獲得およびフォローが求められる.吸入支援を通じて,疾患理解,副作用回避,アクションプランの理解など,包括的なサポートを行う.

本稿ではチオトロピウム/オロダテロール配合剤(レスピマット製剤)が患者にどのような生活を届けられるのかを考えてみたい.

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© 2023 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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