【目的】安定期COPD患者において手段的日常生活活動(IADL)を含む臨床項目を広く評価し,IADL規定因子を明らかにする.
【対象と方法】2019年12月から2021年3月で安定期COPD患者74名(男性66名,年齢74.9±7.7歳,%FEV157.8±20.1%)を対象とした.日本語版Frenchay Activity Index(FAI)を用いIADLを評価し,各臨床評価項目との相関関係,および,それらの因子分析について検証した.
【結果】FAI平均値は20.2±9.3点であった.FAIは臨床的重症度を示す各指標,呼吸機能,ADL,身体活動性,運動耐容能と有意に相関していた(p<0.05).特に身体活動性の高強度軽負荷活動(2.0~2.9 METs)時間との関係が強く,重回帰分析でも寄与因子であった(p<0.01).また因子分析で抽出された4因子でも身体活動性に関わる因子と相関を認めた.
【結論】安定期COPD患者のIADLは臨床的な疾患進行と関連しており,特に身体活動性に関わる因子と最も強く関連していた.
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