日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
慢性閉塞性肺疾患患者の急性増悪による再入院に関連する因子
松尾 聡 池内 智之新貝 和也矢野 志帆理森 大地森 駿一朗井元 淳河野 哲也津田 徹
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 32 巻 3 号 p. 324-329

詳細
抄録

【目的と方法】COPD増悪入院後,呼吸リハビリテーションを実施した84例を対象とし,後方視的に退院後1年以内の増悪による再入院に関連する因子について患者特性,肺機能,在宅酸素療法の導入有無,前年のCOPD増悪,退院後の呼吸リハ継続有無を調査し,1年以内の再増悪との関連を検討した.有意であった因子についてはカットオフ値を算出した.

【結果】年齢,性別,%FEV1を調整変数としたCox比例ハザード分析の結果,再増悪は外来・訪問呼吸リハ継続有り(HR, 0.409; 95%CI, 0.191-0.876),CAT得点(HR, 1.071; 95%CI, 1.026-1.118)に有意な関連を認めた.1年以内の再入院を予測するCATのカットオフ値は22.5点(感度=0.44,特異度=0.90,AUC=0.72)であった.

【結語】CATのカットオフ値を用いることで,1年以内の再増悪リスクが高い患者を抽出することが可能となる.また,退院後も呼吸リハを継続することで,再増悪リスクの低下に期待ができることが示唆された.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top