2024 年 32 巻 3 号 p. 358-363
【背景と目的】呼吸器疾患患者には急性期から維持期まで継続的な呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)が必要であるが,その普及は未だ不十分であると報告されている.本研究の目的は,呼吸器疾患にて入院した患者の退院後の呼吸リハの継続状況を調査し,継続に関わる要因を分析することである.
【対象と方法】呼吸器疾患が原因で亜急性期病院に入院し,呼吸リハを実施した65歳以上の患者87例のうち退院が可能であった65例を対象とした.呼吸リハ継続の有無を従属変数とし,呼吸リハ継続に関わる要因について多変量解析を用いて検討した.
【結果】呼吸リハ継続群は14例,非継続群は51例であった.多変量解析の結果,要介護度が高く,認知機能が低下していないことが呼吸リハ継続の要因であった.
【結語】呼吸器疾患患者が亜急性期病院を退院,転院する際には,要介護度と認知機能を踏まえて退院後の呼吸リハを検討する必要があると考えられた.