2024 年 32 巻 3 号 p. 268-273
当院では2020年2月からCOVID-19患者の受け入れを開始して,同年4月に院内の体制を整備してリハビリテーションを開始した.COVID-19に対するリハビリテーションの実施にあたっては,考えうる万全の感染対策をして臨むことが必要であり,この中には人員配置,環境調整,PPEの選択やPCR検査などを含み,これらを各医療機関の実情に合わせてきちんと運用することが必要であると強調されている.実際の診療にあたってはフェノタイプの存在や高い呼吸努力による増悪の可能性,あるいは心機能の変動や神経症状の出現などの合併症に配慮しつつ,通常の呼吸リハビリテーションとして実施される.一方,COVID-19の後遺症への社会的なフォローアップ体制はいまだ十分とはいえず,多職種・多施設間にわたる情報の連携を密にすることが必要と思われる.