2024 年 32 巻 3 号 p. 301-305
呼吸器疾患評価の基本であるフィジカルアセスメントを含めた理学療法評価から,コンディショニングや運動療法プログラムを立案した.病期に合わせたプログラム構成やチーム医療を行い,自己管理能力が向上した症例を報告する.症例1は急性期であり,非侵襲的陽圧換気療法にて換気補助されていた.最重症の慢性閉塞性肺疾患であり,コンディショニング中心に病棟と連携して日常生活活動を拡大した.症例2は回復~維持期であり,繰り返す急性増悪と疾患に対する不安に対して呼吸リハビリテーションおよびセルフマネジメント教育を実施した.患者と問題点の共有や目標設定をし,多職種で包括的にアプローチした結果,セルフマネジメント行動へとつながった症例である.