2026 年 35 巻 2 号 p. 108-112
本稿は第9回呼吸ケア指導スキルアップセミナーの内容を一部抜粋してまとめた.2022年6月に日本呼吸器学会から慢性閉塞性肺疾患(COPD)診断と治療のためのガイドライン第6版が発刊された.ガイドラインの中で管理目標に「健康寿命の延長」が組み込まれた.COPDの早期発見・早期治療が「健康寿命の延長」に寄与すると期待されるが,まだエビデンスは無い.疫学研究と厚生労働省調査では推定COPD人口に対して診断・治療がなされているのはわずか5%で,一般の疾患認知度は30%に留まる.今後も早期診断への取り組みは継続的に強化されるべきである.診断された患者に対する適正な管理法はガイドライン第6版の遵守を推奨する.本ガイドラインでは初めて初期治療導入に関してシステマティックレビューによる高いエビデンスレベルに基づいた客観的評価と有識者の推奨度が追記されている.本ガイドラインがCOPD患者に対する福音になることを期待する.
第9回呼吸ケア指導スキルアップセミナー 座学2