1996 年 6 巻 2 号 p. 148-152
気管支喘息の気道過敏性の評価として吸気ピークフロー(PIF)の有用性について検討した.対象は喘息発作群,喘息安定群と健常人で,フローボリューム曲線における吸気ピークフロー(PIF),呼気ピークフロー(PEF),およびスパイログラムにおける1秒量(FEV 1)を比較検討した.PIFの再現性は良好で,気管支喘息発作時気管支拡張剤の吸入により有意な改善を認めた.症例によりPIFの改善とPEF,1秒量(FEV 1)の改善が対応しない例もあり,これは気道狭窄病変の平滑筋機能と関連している可能性が示された.PIFは気管支喘息の気道過敏状態の評価として臨床上有用な指標の一つであることが示された.