1999 年 8 巻 3 号 p. 271-274
在宅酸素療法(HOT)患者はHOT歴が長くなるほど,生活の質(QOL)の低下がみられ,介護者も高齢化し,介護疲れをきたし,家庭での介護だけでは,支えていくことが困難になりつつある.その解決のひとつの方法として老人保健施設(老健)の入所があるが,HOT患者に十分な門戸が開放されているとはいえない.老健入所の際の問題点と快適な老健入所ができるように,老健とHOT患者および家族・介護者にそれぞれアンケート調査を行った.老健施設の利用を実現した過程を通じて,酸素業者の立場からみた高齢化社会におけるHOT患者の問題点を考察した.