日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウム1
摂食・嚥下障害患者のリスク管理における看護援助
半田 幸代
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2000 年 9 巻 3 号 p. 282-286

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抄録

当院入院の摂食・嚥下障害患者は脳血管障害による機能的障害が主で,認知障害など複雑な要因が絡みあい,殊に難しいアプローチが要求されている.<br> 患者は食事ができないという現実から,生命維持への恐怖,疾患への不安,さらに人間の尊厳の喪失など心理的葛藤は,計り知れないものがある.そのうえ高次脳機能障害による影響が強く,誤嚥による危険性も増す.<br> 摂食・嚥下障害患者がもたらす問題として次の3点が考えられる.<br> ① 誤嚥性肺炎・感染・窒息<br> ② 脱水・低栄養<br> ③食べる楽しみの喪失によるストレス・患者,家族の不安や焦り<br>これらは相互に関連して,悪循環を繰り返すことが多い.<br> リハビリテーション領域においても,効率的なリハビリテーションを目指すうえから,摂食・嚥下障害は重要で課題も多い.<br> 摂食・嚥下障害におけるリスク管理,専門分化する他部門との連携,という視点からの看護の役割を考えたい.

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© 2000 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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