抄録
目的:超音波検査は脂肪肝の検出に優れたモダリティであるが,肝脂肪化を定量的に評価することは困難である.近年,Controlled Attenuation Parameter (CAP) を用いることで肝脂肪量の定量化が可能となった.今回は,非アルコール性脂肪性肝疾患 (non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD) の診断および治療におけるCAPの有用性について検討した.
対象と方法:対象は,診療ガイドライン (J Gastroenterol Hepatol 2007) にてNAFLDと診断した患者110名,対照者として肝疾患を有さない者28名の計138名とした.CAPはFibroScan 502にて測定した.CAP,血液生化学検査,体組成の測定値について対比した.さらに,中年肥満男性51名の減量療法の前後におけるCAP値と体組成の変化を対比した.
結果と考察:CAPにより測定した肝脂肪量は,NAFLD患者は対照者より有意に高値であった (p<0.01).NAFLD患者と対照者のCAP値による肝脂肪化度のステージ分類は,NAFLD患者でS0: 15%,S1: 16%,S2: 32%,S3: 37%,対照者でS0: 100%, S1: 0%, S2: 0%, S3: 0%であった.減量介入の前後において,内臓脂肪面積の減少に伴い,CAP値 (Pre: 283.7±44.4, 3mo: 217.6±51.9 dB/m, p<0.01) は減少した.
結論:CAPは肝脂肪量を非侵襲的に,かつ簡便に定量化することが可能であり,NAFLD診断と治療の効果判定に有用なモダリティであると考えられた.