日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
総説
ストーマ周囲皮膚障害
白石 卓也廣畑 梓西澤 祐吏
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2023 年 39 巻 3 号 p. 146-161

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抄録

 ストーマ周囲皮膚障害はストーマ周囲皮膚合併症とも呼ばれ、ストーマ関連合併症の中で最も高い頻度でみられる。ストーマ周囲皮膚障害は、ストーマ管理を困難にし、かゆみや痛みといった症状を引き起こして患者のQuality of Lifeを低下させるだけではなく、装具交換頻度や医療機関受診頻度の増加によって経済的な負担もまねく。初期に適切なケアがなされないと重症化しやすく、身体的苦痛が生じるだけでなく、装具を装着できない状態に陥いることも多い。

 したがって、ストーマ周囲皮膚障害を発生させないように、そのリスク因子を把握してストーマを造設することや、重症化させないよう早期発見することが重要である。また、確実なセルフケア指導と社会生活を見据えたストーマケアや継続的なフォローアップ体制を確立することも大切である。

 本総説では、ストーマ周囲皮膚障害の定義と病態、発生頻度とリスク因子、予防のためのストーマ造設方法、予防および重症化予防のためのアセスメント方法、病院内でのアセスメントツール活用効果、治療法、チーム医療の重要性について概説する。

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© 2023 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
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