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本研究は、技術と材料の導入にともなう、フィリピンの伝統的住居の内部空間構成の変遷を探ることを目的とした。研究方法としては、山岳部のイフガオと平野部のイロイロにおいて現地調査を行い、調査結果を比較分析した。二つの地域の内部空間構成について、(1)建築材料と建築の構成要素(ドア・台所の洗面台・トイレの流し台など)、(2)建て方、(3)装飾方式、(4)什器(生活用品、家具、飾り物、電気製品)など、四つの技術的側面から考察した。結果、山岳部のイフガオ地域と平野部のイロイロ地域では、伝統的住居の内部空間構成の変遷の度合いが異なることが明らかになった。