抄録
近年,製品価値における意匠性の占める割合が高まり,意匠デザインの重要性が認識されてきている.設計プロセスを効率化するための3次元CADシステムは,機能設計・詳細設計には優れているが、意匠設計に対する支援機能は極めて低いため,デザイナの感性を損なわない操作性の高いシステムが求められている.意匠形状デザインプロセスにおいて,デザインの発想・創造はスケッチ段階で行われ,デザイナはスケッチを繰り返しながら頭の中のイメージを具現化している.スケッチにはサムネイルスケッチ,ラフスケッチ,レンダリングスケッチの三種類がある.この中でラフスケッチは複数の線の重ね描きで描かれ,太さや濃さの違う様々な線が混在している. 本研究では,まず始めにデザイナへのインタビューを行い,スケッチ手法やスケッチ時の感性について検証を行った.その結果から,ラフスケッチの描画プロセスを支援するデジタルスケッチシステムとして,複数描かれた線情報より自動的に線を抽出・生成するとともに,抽出・生成された線に対してインタラクティブに修正を行えるスケッチ支援システムの提案・実装を行った.