抄録
本研究の目的は、聴覚障害者と健聴者が社会の場で心地良いコミュニケーションを成り立たせることである。ここでキーワードとしてあげる「心地良いコミュニケーション」とは、伝達時における言葉に宿る感情を上手く伝えることを意味する。聴覚障害者の方が、実社会ではなかなか上手く情報が入ってこない事からストレスが増えている現状がある。これらを緩和していくコミュケーションの在り方を模索していく上で、有効性の高い視覚や触覚や嗅覚などの視点があると思われる。本研究においては、この問題点を緩和していく提案の1つ目として、視覚に着目し、ピクトグラムの有効活用に着眼する事とした。また、従来ある携帯電話の絵文字では、エンターテイメント性が強く、意志を伝達することの要素が弱いのではないかと考える。よって、新たに人間の基本的な6つの感情である「喜び・驚き・悲しみ・怒り・嫌悪・恐れ」を表すピクトグラム(絵文字)を実験的に作成するところから本研究をスタートすることとした。